今日は、受験や数学の授業でよく出てくる「群数列」についてのお話をします。
特に、群数列を解くときに注意してほしいポイントがあります。
それは「記述式回答で階差数列を使って解いてはいけない」ということです。
この記事では、群数列の基本的な解き方とその注意点を、分かりやすく解説していくので、最後まで読んでくださいね!
まずは問題から

問題を解きながら確認しましょう!
問題: 4で割ると1あまる数列を
\(1\ \left.\right|\left.\ 5, 9\ \right|\left.\ 13, 17, 21\ \right|\ 25,・・・\)
のように、第n群がn個の数を含むように分けるとき、第n群の最初の数を求めよ。
この問題では、「群数列」という特殊な数列が登場します。群数列は、各群ごとに数の個数が増えていくという特徴があります。それでは、解き方を見ていきましょう!
群数列の解き方

群数列を解くカギはこの3つ!
- 数列の規則性を見つける
- \((n-1)\) 番目の群について考える
- \(n\) 群の最初の数は \((n-1)\) 群の最後の数+1 番目となる
1. 数列の規則性を見つける
\(4\) で割ると \(1\) 余る数は \(4m-3\)( \(m\) は整数)…① と表せる。
2. \((n-1)\) 番目の群について考える
\(n\geqq2\) のとき、
第 \(1\) 群から第 \(n-1\) 群までにある数の個数は
\(\displaystyle1+2+3+4+…+(n-1)=\frac{1}{2}(n-1)n\)
3. \(n\) 群の最初の数は \((n-1)\) 群の最後の数+1 番目
よって、第 \(n\) 群の最初の数は \(\displaystyle\frac{1}{2}(n-1)n+1\) 番目の数であるから、
①より
\(\displaystyle4\cdot\left\{\frac{1}{2}(n-1)n+1\right\}-3=2n^2-2n+1\)
これは、\(n=1\) のときも成り立つ。

今回は、ここから先の内容がメインなので、説明を省略しているよ!
群数列を階差数列で解こうとすると?

階差数列で解いた方が楽じゃないですか?こんな感じで…
各群の最初の数 \(1,5,13,25,…\) を数列 \(\{a_n\}\) とする。
この数列 \(\{a_n\}\) の階差数列を \(\{b_n\}\) とすると、
\(\{b_n\}\) :\(4,8,12,…\)
よって、一般項は \(b_n=4n\)
これより、数列 \(\{a_n\}\) の一般項は
\(n\geqq2\) のとき
\begin{eqnarray*}
\displaystyle
a_n&=&a_1+\sum_{n-1}^{k=1}4k\\
&=&1+4\cdot\frac{1}{2}(n-1)n\\
&=&2n^2-2n+1
\end{eqnarray*}
これは \(n=2\) のときも成り立つ。

階差数列の方法を使うと、最初はうまくいったように見えますが、この方法には問題があるんです!

どうしてですか?

この方法では、数列の規則性を正確に証明していないんですね。
階差数列が 4 の倍数になると予測して進めていくのは直感的には合っているかもしれませんが、この規則が必ずしも成り立つとは限らないんです。
階差数列を用いて解いてはいけない理由
では、なぜ階差数列を使う方法が正しくないのでしょうか?実は、この方法では、数列がどこまで規則的に増えるのかの保証がありません。
とうもろこし君は、各群の最初の数に注目して
数列 \(\{a_n\}\) :\(1,5,13,25,…\) としました。
そして、この数列 \(\{a_n\}\) の階差数列を \(\{b_n\}\) として
\(\{b_n\}\) :\(4,8,12,…\) が 4 の倍数であると考えて話を進めていますが、この数列 \({b_n}\) は本当にずーっと \(4\) の倍数であり続けると言えるのでしょうか?

数列の階差が必ずしも4の倍数になるとは限らないんです。階差数列を使うと、結果が不完全な場合があります。

それなら、数学的にどう証明するんですか?

その場合は、数学的帰納法を使って、階差数列の一般項が4nであることをちゃんと証明しなければなりません。記述式の回答では、証明を省略するわけにはいきません。
まとめ
「群数列を階差数列で解くのはダメ!」って説明しましたが、実際のところは、教科書を見ても階差数列の規則がちゃんと成り立つ前提で話が進んでることが多い。
でも、実はその規則が本当にどこまでも続くのか、ちゃんと証明されてない場合がほとんど。(最近は「階差数列を利用して」って一言ついてることも増えてきましたが。)
特に記述式の答案では、ただパターンに従って解くのではなく、「なぜそうなるのか?」を論理的に説明できないと点数がもらえないことも。数学では「とりあえず使えそうだからOK!」といった解法ではなく、ちゃんと証明できるものを使うのが大切ですね。
試験では受験者のレベルによって採点基準が変わることも多いので、普段の勉強では模範解答のやり方に沿ってしっかり理解しておくのがベストです!
質問があれば、コメント欄に書いてくださいね。それでは、次回の授業でお会いしましょう!
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